日本製鉄は米鉄鋼大手USスチールの買収手続きを完了し、橋本英二会長が19日に都内で記者会見した。USスチールの取締役の選任などで米政府の影響を受ける形だが、「経営の自由度と採算性については確保されており、十分に満足のいく内容だ」と話した。
日鉄は18日にUSスチールの全株式を142億ドル(約2兆円)で取得し、完全子会社化した。米国の独占禁止法に触れるリスクを避けるため、米国にある欧州鉄鋼大手との合弁会社の保有株式を1ドルで売却することを決め、約2300億円の特別損失の計上見通しを19日に発表した。
日鉄側は、USスチール買収に反対してきたトランプ米大統領から13日に承認を取り付けていた。条件として米政府と国家安全保障協定を結び、協定に基づいて黄金株(拒否権付き種類株式)を発行することも決めた。
米政府にはUSスチールの経…