Smiley face

 日本銀行が、銀行から買い取った株式の売却を終える。金融システムの安定を目的に2002年に購入を始め、残高(簿価)は最大2兆円に上った。16年から約9年にわたって売却を続け、「禁じ手」とされた政策が出口を迎える。一方、「異次元」の金融緩和として市場で購入した上場投資信託(ETF)は手つかずのままで、残高は37兆円を超える。

 中央銀行による株式やETFの購入は、市場での本来の需給に基づく価格形成をゆがめる恐れがあるほか、価値の下落による損失リスクも抱えるため、「禁じ手」とされてきた。

 日銀が、銀行の保有株を買い取るという異例の政策をとったのは02年だ。当時、日経平均株価が一時9000円を割り込む中、銀行は持ち合い株を多く保有していた。不良債権問題も抱えており、株安に伴う財務の悪化は経済全体に深刻な影響を及ぼすと懸念された。

9年かけて売却

 日銀は、最悪の事態を防ぎ…

共有