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日本銀行本店の外観=東京都中央区

 日本銀行は7日、地域経済報告(さくらリポート)を公表し、全国9地域の景気判断のうち、東海と北陸の2地域で前回7月から引き上げた。7地域は判断を据え置いた。大企業を中心とした賃上げで、個人消費に改善がみられ、特に若者の消費が押し上げたとの見方があった。一方で、中小企業への恩恵は限られるとの意見もみられた。

 さくらリポートによると、東海は、自動車メーカーの認証不正問題による出荷停止が解除されたことで、生産が回復した。北陸は、能登半島地震の影響を受けた工場の操業が再開され、電子部品の製造などが伸びた。企業の生産は、AI(人工知能)ブームを追い風にした半導体需要の高まりなどで、3地域で判断を引き上げた。

 賃上げやインバウンド(訪日外国人)の増加を背景に、個人消費も持ち直してきた。観光や宿泊業、外食業が堅調だったほか、富裕層の高額消費も増加。中でも賃上げの上昇幅が大きかった若者の消費回復が目立ち、「若年層でも比較的高価格帯の車を購入するケースが増えている」(日銀秋田支店管内の自動車販売)との声があった。

 価格転嫁は進みにくいとされ…

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