日本銀行本店=東京都中央区

 日本銀行は28日、保有する国債を時価でみた評価損が、3月末時点で28兆6246億円だったと発表した。前年の約3倍に膨らみ、過去最大。昨年3月に大規模な金融緩和策を転換して以降、金利が上昇し、国債の市場価格が下がったためだ。日銀は政策運営に支障はないとしているが、専門家からは財務の悪化を懸念する声もある。

 日銀がこの日に公表した2024年度決算によると、保有する国債残高は前年比2.3%減の575兆9308億円で、3年ぶりに減った。長期国債も16年ぶりに減少した。この額は簿価(取得時の価格)で、時価では547兆3062億円。差し引きした評価損は28兆6246億円で、前年度の9兆4337億円から約3倍に増えた。

 保有する上場投資信託(ETF)の評価益は32兆8712億円で、前年度末から4兆4408億円減少した。

 金利が上がると、国債の市場…

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