日本銀行の審議委員に元三菱商事常務の増一行(ますかずゆき)氏(66)が1日就任し、会見した。今後の利上げについて「昨今の経済情勢を見ると、急いでよい状態とも言えなくなっている」と述べ、慎重に判断する姿勢を示した。
増氏は日立製作所出身の中村豊明氏の後任。1982年に東大法学部を卒業し、三菱商事で財務部門を歩み、CFO(最高財務責任者)も務めた。
米国の関税政策で経済が下押しされるとの見方が強い一方、国内では物価高が加速するとの観測もある。どちらのリスクをより重視するかを問われると、「どっちに行くか、慎重に見極めていく」と述べた。日米の関税交渉をめぐっては「自動車は対米輸出の中核」と強調し、「予断を許さない状態が続いている」とした。
ハト派かタカ派問われると?
前任の中村氏は利上げに慎重…