石破茂首相が7日に退陣の意向を表明したことについて、韓国の主要紙は8日付の朝刊1面で一斉に報じた。各紙とも高市早苗前経済安全保障相と小泉進次郎農林水産相が次期首相選びの軸になると伝えたうえで、日韓関係への影響を懸念する論調が目立った。
朝鮮日報は石破氏が日韓関係の改善に前向きな立場を見せてきただけに、次期首相に「だれがなっても韓日関係は後退する可能性が大きいとの観測が出ている」とした。
同紙は、石破氏が8月15日の政府主催の全国戦没者追悼式での首相式辞で13年ぶりに戦争の「反省」に言及したことなどを指摘。一方、高市氏については靖国神社への参拝を続けていることなどを挙げ、「右派政治家」だとした。小泉氏については「比較的、韓日関係に柔軟」としながらも、石破氏ほどではないとの評価だとし、8月15日に現職閣僚として靖国神社に参拝したことも指摘した。
中央日報も高市氏、小泉氏の靖国神社への参拝を挙げ、「どちらがなっても韓日関係は緊張が高まる可能性が高いとの見通しが出ている」とした。
東亜日報も高市氏と小泉氏の靖国神社参拝に言及。日韓関係の改善に積極的だったと評価されている石破氏と違い、外交政策がどうなのかはっきりしないとも指摘した。
ハンギョレは、石破氏が日韓の歴史問題に比較的、穏健な態度を見せてきたとし、退陣によって今後の日韓関係も影響を受けるとみられる、と報じた。
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