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首相官邸に入る中谷元防衛相=2025年8月5日午前7時59分、岩下毅撮影

 中谷元・防衛相が8日にソウルを訪問して行われる予定の安圭伯(アンギュベク)国防相との日韓防衛相会談で、両国防衛相の相互訪問や防衛当局間の定例協議を活性化することを確認する方向で調整していることが分かった。日本の防衛相の訪韓は10年ぶりで、進歩(革新)系の李在明(イジェミョン)政権でも日韓、日米韓の安全保障協力の継続を確認する。

 日本政府関係者が明らかにした。両防衛相の会談では、朝鮮半島の完全な非核化に対する確固たる意思を確認するほか、急変する安保環境の中で、日韓、日米韓の安保協力を安定的に推進していくことが重要であることで一致する方針だ。人工知能(AI)や無人システム、宇宙などの先端分野での協力の可能性を模索することも確認する見通し。防衛当局間の人的交流の活性化も進め、11月には「自衛隊音楽まつり」に韓国軍楽隊が参加するという。

 日韓の防衛当局間の関係は2018年のレーダー照射問題を機に大きく冷え込み、保守系の尹錫悦(ユンソンニョル)前政権下で改善した経緯がある。日本政府関係者は「進歩政権でも前政権で進んだ協力を確認することに最大の意味がある」と語る。

 中谷氏は9日にはソウルで開かれる国防次官級の多国間会議「ソウル・ディフェンス・ダイアローグ」にも出席する見通し。講演では同志国などとの間での多層的な防衛協力の推進が不可欠だとして、日本と同盟・同志国との多国間の安保協力の枠組みが「インド太平洋地域の平和と安定にとって、これほど必要な時はいまでかつてない」と言及する方向で調整している。

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