日韓共同記者発表を終え、握手をする韓国の李在明大統領(左)と石破茂首相=2025年8月23日午後7時13分、首相官邸、吉田耕一郎撮影

 韓国大統領府は24日、前日の日韓首脳会談の成果をまとめた「共同文書」について、韓国側の働きかけで作成されたことを明らかにした。会談では日本の歴史問題についても議論され、25日にトランプ米大統領との初会談が予定されている李在明(イジェミョン)大統領に対し、日本側から「助言」もあったという。

 韓国の外交・安全保障政策を統括する魏聖洛(ウィソンラク)・国家安保室長の説明によると、両国の実務者間での調整段階では、会談までの時間の関係上、文書化の予定はなかった。だが、李氏から「作成した方が良いのでは」という指示があったという。その後、韓国側が日本側に17年ぶりとなる共同文書の作成を持ちかけたとしている。

 魏氏によると、李氏は歴史問題について石破茂首相に対し「日頃口にしていることを十分に話した」という。李氏は大統領就任後の会見などで日本に対し「過去の直視」を求めつつ、元慰安婦や元徴用工などの歴史問題では過去の政権による合意や解決策を踏襲する意向を示しており、こうした考え方について伝えたとみられる。日本側からも「真摯(しんし)な反応」があったという。

 また、トランプ氏と関税問題などをめぐり初会談に臨む李氏に日本側の経験が伝えられ、活発な議論につながったという。韓国が続けている日本産水産物の輸入規制についても話し合われたが、具体的な議論にはならなかったという。

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