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ブリュッセルで開催された欧州連合(EU)首脳会議後に記者会見するフォンデアライエン欧州委員長=AP

 日本と欧州連合(EU)が経済安全保障や防衛産業などで協力し、経済的な競争力を高める連携の枠組み「競争力アライアンス(連合)」を発足させることがわかった。中国による経済的威圧や米国の関税措置が自由貿易体制を揺るがすなか、日欧の連携を深める狙いがある。

  • 保護主義に懸念、「自由貿易体制の維持」を確認 日EU経済対話

 複数の政府関係者が明らかにした。EUのフォンデアライエン欧州委員長とEU大統領にあたるコスタ首脳会議常任議長が近く来日し、23日に東京で予定される石破茂首相との首脳会談で合意。「競争力連合」の立ち上げなどを盛り込んだ共同声明を発表する。

 共同声明の原案によると、日本とEUが「法の支配や自由で公正な貿易体制などの基本的な価値や原則を堅固に共有している」とし、「複雑な地政学的状況を背景に、日欧の緊密な連携がますます重要になっている」とした。そのうえで「安定した予測可能なルールに基づく経済秩序を維持するだけでなく、競争力あるビジネス環境を強化する」として「競争力連合」の発足を表明。レアアース(希土類)の輸出規制を強める中国や、日本とEUを含む各国に高関税を通告している米国の動きが念頭にある。

 競争力連合は、協力分野の一…

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