Smiley face
写真・図版
国連人権理事会の「ビジネスと人権」に関する作業部会のメンバーで、訪日調査を担当したピチャモン・イエオパントン氏=2024年7月5日、東京都港区、島崎周撮影

 国連人権理事会の「ビジネスと人権」に関する作業部会のメンバー、ピチャモン・イエオパントン氏が、朝日新聞の単独インタビューに応じた。同氏は旧ジャニーズ事務所(現SMILE―UP.(スマイルアップ))の性加害問題について、調査を担当。「再発防止のため、政府は被害者との直接的な対話をするべきだ」と語った。

     ◇

 ――故ジャニー喜多川氏から性被害を受けたと告白した方たちから昨夏、話を直接聞いたそうですね。

 本当にひどい体験について聞くのは、つらいことでした。性的虐待と性的搾取の問題として、大変悲惨な事例であると感じました。彼らが声を上げた勇気に改めて敬意を示したいと思います。

 でも、声を上げたことでつらい思いをしている人たちもいます。ある被害者の方が誹謗(ひぼう)中傷を受け、亡くなったと知った時は、三日三晩眠ることができませんでした。

  • ジャニー氏との過去、声あげたが 「金目当て」遺族にも誹謗中傷

 故ジャニー喜多川氏による性暴力を認めた事務所の会見から7日で1年になります。積み残された課題は何か、イエオパントン氏は日本社会の構造的な問題も指摘します。

報告書の文言、強い言葉で表現

 ――国連人権理事会に提出した報告書で、性加害問題に「深い憂慮を抱いている」と表現しています。どういう「憂慮」でしょうか。

 今回の事案は、被害規模の大…

共有