故・ジャニー喜多川氏の性加害問題を受け、被害者への補償に専念する「SMILE―UP.」(スマイルアップ、旧ジャニーズ事務所)に代わり、マネジメントなどを担う新会社「STARTO ENTERTAINMENT(スタートエンターテイメント)」が10日、初ライブを開き、本格的に始動した。だが、課題は山積していて、その一つが「経営の分離」だ。新会社は旧会社と経営を分離し、創業家との関係を断ち切ることが求められている。

  • 旧ジャニーズが初ライブ 性被害の補償、いまだ4割「見切り発車だ」
「SMILE-UP.」本社ビル=2024年3月23日、東京都港区、宮田裕介撮影
  • 旧ジャニーズの不十分な情報発信 テレビ局幹部はガバナンスに注文
  • 旧ジャニーズ新会社初公演に5万5千人 「気まずさ」感じたファンも

 喜多川氏のめいでジャニーズ事務所社長だった藤島ジュリー景子氏は新会社に出資せず、取締役にもならず、関わらないと明らかにした。昨年12月に新会社の社長に就任したのは、日本では珍しいタレントエージェント(代理人)業務も行うコンサルタント会社の社長で、従来の芸能界を批判してきた福田淳氏だ。タレントの井ノ原快彦氏を除く幹部は「スマイル社とは関係のない法律・財務のプロフェッショナル」でそろえたという。

 ただ、旧会社が持つ楽曲の知的財産やファンクラブ組織をめぐっては、新旧会社間での経営分離が進んでいるかはわからない。

 スマイル社側の知的財産には、楽曲の作詞作曲といった「著作権」や、録音された音源の複製や配信などができる「原盤権」があるとみられる。これらを抱えたままだと、カラオケやコンサート、放送などで使われるたび、スマイル社側が使用料として莫大(ばくだい)な収入を得ることになる。また、キャラクターグッズのデザインや商標などの権利も所有している。

 「本格始動」にあわせ、朝日新聞はスタート社に質問したが、期日までに回答はなかった。

 経営分離で注目を集めている…

共有
Exit mobile version