旧優生保護法のもとで、不妊手術を強制的に受けさせられた被害者が10日、米ニューヨークの国連本部であったイベントで自らの体験を証言した。専門家らによると、世界には同意のない不妊手術が今も行われている場所があるといい、国際的な場で当事者が自ら証言するのはまれだという。
- 【最高裁判決】旧優生保護法は「違憲」 国に賠償命じる 最高裁、除斥期間適用せず
- 【詳しいストーリー】「2人の子を」願う妻に言えなかった秘密 14歳で未来は奪われた
証言したのは、北三郎さん(82、仮名)。昨年7月、最高裁が同法を「違憲」と判断することになった国家賠償訴訟を起こした原告の一人だ。
「私が受けた説明は『悪いところを取るから』。ただそれだけでした」。北さんは、各国の障害者団体関係者や国会議員ら30人以上を前に、14歳で手術を受けさせられた経験を語った。妻に真実を伝えられず、亡くなる直前に初めて打ち明けたときの苦しみなどを訴えた。
賠償金で渡米、海外では強制不妊手術続く
勝訴判決が確定し、賠償金の…