毎年、横浜市で開催されている「戦争体験を語り継ぐつどい」が、今年は8月11日に開かれる。登壇するのは、旧満州で敗戦を迎えた90代の2人。「日本は負けない」という教えを心から信じ、大人の言うことに従うしかなかった2人は、敗戦後の混乱の渦中で死の恐怖を目の当たりにした。戦争体験を語ることができる「最後の世代」として、戦争の恐怖と後世への思いを語る。

上庄杜夫さん=2025年7月16日午後4時10分、横浜市、関ゆみん撮影

軍国教育「神風吹く」信じた

 横浜市の上庄杜夫さん(91)が帰国できたのは敗戦から4年後、15歳のときだった。混乱の中、医師だった父は中国共産党軍(八路軍)に従軍医師として動員され、家族もついて回った。

 少年時代を過ごした旧満州の…

共有
Exit mobile version