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本部入り口の世界平和統一家庭連合のロゴ=2023年9月8日午後1時11分、東京都渋谷区、友永翔大撮影

 高額献金の勧誘などをめぐり、文部科学省が求めた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への解散命令請求について、東京地裁(鈴木謙也裁判長)は25日、教団を解散するという決定を出した。教団側が明らかにした。

 教団はこの決定に対し、不服申し立てを東京高裁にするとみられ、その場合は解散決定による効力は生じない。解散命令の是非は、最高裁まで争える。

 阿部文部科学相は決定を受け、「私どもの主張が認められたものと受け止めている」とするコメントを出した。

 教団はホームページに「到底、承服できるものではない」「即時抗告を検討していく所存」などとするコメントを掲載した。

 解散の決定が確定すると、宗教法人格が失われる。宗教活動による所得であれば、法人税を支払わなくてよいなどの税制優遇がなくなるが、信仰や布教などの宗教活動そのものは禁止されない。

 宗教法人法は「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」などが宗教法人にあった場合、裁判所が解散を命じることができると定める。

 文科省は2023年10月、地裁に解散命令を請求した。教団が遅くとも1980年ごろ以降、教団の利得のために多くの人の不安をあおり、多額の献金をさせて損害を与え、平穏な生活を害したなどと主張。約5千点の証拠資料を提出し、確認できた範囲で被害者約1550人、計約204億円にのぼる民法上の不法行為があった、と訴えた。

 これに対し教団側は、文科省が出した被害者の陳述書などは誤っていると反論した。献金の受領は宗教活動の一環だとし、2009年に「コンプライアンス宣言」をして以降、教団に対する献金をめぐる被害の訴えは大幅に減ったと主張してきた。

 解散命令請求に対する審理は法律に基づき、非公開で進んだ。

 主な争点は、高額献金の勧誘などについて、教団の「組織性、悪質性、継続性」が認められるかだった。

 法令違反を理由とした裁判所の解散命令は、過去にオウム真理教(1996年に最高裁で確定)と明覚寺(2002年に最高裁で確定)の例があり、いずれも刑法違反が根拠とされた。

 今回の請求は、刑法違反ではなく民法上の不法行為を理由としたが、最高裁は3月、解散命令の根拠に「民法上の不法行為も含まれる」との初判断を別の裁判で示していた。

 教団によると、国内の教会数は約280、信者は約60万人。そのうち、毎週礼拝に参加する信者は約10万人という。

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