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世界平和統一家庭連合本部の入り口

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する解散命令請求について、東京地裁が25日午後、請求を認めるかの判断を示す見通しだ。

 旧統一教会が注目を集めたきっかけは、2022年7月8日に奈良市で発生した安倍晋三元首相の銃撃事件だった。この事件で殺人などの罪に問われている山上徹也被告(44)が逮捕後の調べに、母親が教団に金を納めたことで生活が苦しくなり、「(教団を)恨む気持ちがあった」と供述。教団トップを狙うのは難しく、安倍氏が教団友好団体の行事に寄せたビデオメッセージを見て「つながりがあると思って狙った」と話したという。

 事件直後から、教団の高額献金問題とともに、自民党議員を中心とした教団側と政治家との接点が相次ぎ発覚し、社会的に批判が集まった。

 自民党は22年9月8日、党所属国会議員と教団側との関係についての点検結果を公表。379人中179人(のちに180人に)が選挙支援や教団関連団体の会合への出席などの接点を認めたが、当時の自民党の茂木敏充幹事長は「党として(教団との)組織的な関係はない」と繰り返した。

 岸田文雄首相(当時)は、教団との関係断絶を党の方針として徹底するよう指示。宗教法人法に基づく質問権行使による教団の調査を進め、23年10月、解散命令請求に踏み切った。

その後も明るみに出た自民党との関係

 その後にも自民党と教団側との関係を巡る新たな事実も明るみに出た。

 朝日新聞は23年12月、岸田氏が自民党政調会長だった19年に教団の友好団体トップらと党本部で面会したという関係者の証言を、写真とともに報じた。岸田氏は「同席者について承知していない」と繰り返した。

 24年2月には、文科省トップだった盛山正仁文科相(同)が21年の衆院選直前に教団の友好団体から推薦状を受け取り、選挙応援を受けたとする関係者の証言などを報じた。盛山氏は、団体との推薦確認書に「サインしたのかもしれない」と国会で答弁した一方、「記憶にない」とも繰り返した。

 24年9月には、安倍氏が首相在任中だった13年の参院選公示直前、当時の教団会長らと党総裁応接室で面談し、選挙支援について確認したとみられることを報じた。同党は「党として教団との組織的な関係はない」という従来の説明を繰り返している。

 そうした中で、解散命令請求に対する審理は法律に基づき、非公開で進んだ。

 文科省は、教団が遅くとも8…

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