妊娠12週未満で子どもが亡くなる「早期流産」。週数が早いため周囲に知られることも公式な統計にも残ることもなく、当事者や家族が苦しさを抱え込むことも少なくない。心や体の変化などを知り、自分を大切にしてもらおうと、研究者らがこのほど、経験との向き合い方などをまとめた冊子を作った。経験者に無料で配布している。
冊子「12週未満の流産を体験された方へ」はB5サイズ16ページ。流産による体への影響や、医療的措置、流産後の心や体の変化などについてまとめられている。作成者は、石井慶子・聖路加国際大学客員研究員や蛭田明子・湘南鎌倉医療大教授ら4人。
自分のペースで
「はじめに」と書かれたページには以下のように記されている。
「手にしたらすぐに全部を読まなければいけないというものではありません」
「お気持ちが向いたときに、これ以降のページを開いてみてください」
石井さんは「個人差が大きい体験。大人が亡くなったのと同じように、死を悼む人もいます。自分のペースで悲しみと向き合うことを大切にしてほしい」と話す。石井さんは20年にわたって、流産経験者のカウンセリングや、語り合う会を開いてきた。
冊子の「悲しみの感情と感情…