高知―明徳義塾 五回裏明徳義塾、走者2人をかえす三塁打を放ち、ガッツポーズする藤森海斗選手(左)=2024年7月27日午後2時37分、県立春野、蜷川大介撮影

 (27日、第106回全国高校野球選手権高知大会、高知3―5明徳義塾)

 五回裏、明徳義塾の攻撃。犠牲フライで先制点を挙げ、なお走者一、三塁。背番号11の三番打者、藤森海斗選手(2年)は「速球のセンター返しを狙っていた」。

 2球目、緩い球をたたくと、打球は右翼線へ。三塁まで疾走し、ベース上から応援団のいる三塁側スタンドに向けて拳を突き上げた。

 「短期決戦は、ノッてる選手を使う」。そう語る馬淵史郎監督の起用にこたえた。

 決勝は藤森選手ら2年生が躍動した。先発した背番号10、池崎安侍朗投手(2年)は打たせて取る投球。四回まで両チームのヒットは1本ずつ。好守で主導権を綱引きする展開が続いていた。五回の3点は明徳義塾に大きく流れを引き寄せた。

 藤森選手は七回にも2点適時打を放ち、この日4打点。池崎投手も自ら2本のヒットを打ち、2度、本塁に生還した。

 明徳義塾は一昨年の夏以降、甲子園から遠ざかっていた。甲子園でプレーした選手は一人もいない。「頑張って3年生を助けようと、2年生たちで話していた」と藤森選手。準決勝の高知商戦でも走者一掃の三塁打を放って勝利に貢献した。

 藤森選手は北海道根室市出身で、甲子園を夢見て明徳義塾中学に進んだ。「小さな時から行きたかった舞台。甲子園でもチームが勝つために頑張りたい」

 馬淵監督は「3点リードで精神的に楽になった。甲子園には丸2年間行っていなかったので、出る以上、思い切ってやりますよ」と語った。(蜷川大介)

明徳義塾の平尾成歩主将 

 主将として、チームとして色々な工夫をし、部員116人全員で戦った結果です。夢だった甲子園に行けるのは、色んな方に支えられたから。甲子園では感動や勇気を与えるプレーをしたい。

明徳義塾の馬淵史郎監督 

 3点リードで精神的に楽になった。今日はスクイズする気はなくて、打たせて勝とうと思っていた。甲子園には丸2年間行っていなかったので、出る以上、思い切ってやりますよ。

共有
Exit mobile version