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三回裏、3打席連続で長打を打たれた直後、マウンドで松浦諒介捕手(3年)と話す中村の芝野遊投手(右)=2025年7月24日午前10時33分、春野、原篤司撮影

 (24日、第107回全国高校野球選手権高知大会準決勝 明徳義塾5―0中村)

 中村のエース芝野遊(のあ)投手(3年)の立ち上がりは順調だった。一、二回は昨年の覇者・明徳義塾打線を打たせて取った。

 ただ三回、先頭打者に内野安打を許してから潮目が変わった。高めに浮いたストレートをとらえられ、スライダーも決まらず、3連続の長打を浴びるなどして計4点を失った。四回にも追加点を許した。

 ここまでの2試合、ほぼ1人で投げ続けてきた疲れもあった。必死に配球を工夫して五回以降は立て直せたが、時すでに遅し。試合後、「もう一度、三回からやり直したい。本当に悔しい気持ちでいっぱいだ」と肩を落とした。

 2年前の高知大会2回戦。中村は明徳義塾を九回裏2死までリードしながら追いつかれ、延長タイブレークで敗れた。当時1年生だった芝投手は内野手として出場し適時打で貢献。「1球の差」で先を断たれた悔しさから、明徳義塾を倒すことを目標に練習を重ねてきたが、届かなかった。

 山本泰道監督は「芝投手は感性が良く、自分で考えられる選手。今日のピッチングを見て、背番号1にふさわしい選手になったな、と感じた。みんなで頑張り、県立校の意地を見せることができた試合だった」と振り返った。

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