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復元した貨車と南野哲志さん。奥に見えるのが貨物タンク=2025年6月25日、三重県いなべ市大安町、臼井昭仁撮影
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 造られたのは125年前の明治時代半ば、日露戦争が起きる前。そんなころ、蒸気機関車に引かれ、走っていた貨車を、三重県いなべ市の貨物鉄道博物館が復元させ、展示している。鉄道ファン349人から寄付金が集まったものの、コロナ禍に加え、寄付金をも上回る物価高で復元費用がかさむなど苦労を重ねたうえ、完成にこぎつけた。関係者は、「間近で見て、1世紀以上前の貨物輸送の様子を思い浮かべてもらえれば」と話している。

【動画】1900年製、明治時代の貨車を復元=臼井昭仁撮影

 同館は、NPOが運営し、十数両の貨車、タンク車、蒸気機関車を所有、展示している。

 その一つ、復元した貨車は、長さ5.5メートル、幅2.4メートル。1900(明治33)年に旧関西鉄道四日市工場で造られた。当時の貨車としては珍しい鉄製だった。

 各地で輸送に使われ、戦後間もない50年ごろに廃車に。茨城県龍ケ崎市内の関東鉄道の駅構内で、長年倉庫として使われていた。2017年に存在を知り、同館がこの年に譲り受けた。

 ほかにも同館には、1898(明治31)年ごろに英国で造られ、輸入された貨物タンクもある。2020年に引き取った。

 ただし、ともに台車がない状態での展示。常務理事で、設計士の南野哲志さん(54)は「日本で現存する鉄道貨車の中で、2両とも最も古い。ぜひ台車をつけた状態に復元してみせたい」と考えたという。

 2003年の開館時から理事として運営に携わり、中学時代から鉄道模型の製作を手がけ、雑誌に発表をしていたほどの鉄道ファン。やる気に火がついた。

 折しもコロナ禍。活動ができず、寄付金を集めるためのクラウドファンディング(CF)を2023年に実施した。

目標額300万円を大きく越える寄付も

 目標額300万円に対し、3…

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