会見に臨んだ(右から)大谷亮平さん、及川桃利さん、磯谷萌々子さん、戸田菜穂さん、滝藤賢一さん=2025年8月20日午後1時25分、鳥取県倉吉市中江、奥平真也撮影

 鳥取県倉吉市を舞台とした映画「遥(はる)かな町へ」が20日、同市内でクランクインした。中心部の白壁土蔵群周辺にスタッフが機材を持ち込み、錦織良成監督(63)の指示で撮影が進んだ。それに先立ち、同市内でキャストの発表会見があり、主演の大谷亮平さん(44)らが抱負を語った。

 大谷さんはテレビドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS)、「まんぷく」(NHK)、映画「ゴールデンカムイ」などに出演。今回は主人公「中原博史」の大人時代を演じる。

 主人公の中学生時代は及川桃利(とうり)さん(14)、その同級生の長瀬智子役は磯谷萌々子さん(14)。いずれもオーディションで選ばれた東京都出身の中学3年生だ。

 主人公の父親役は、数多くの映画やドラマに出演し名バイプレーヤーとして知られる滝藤(たきとう)賢一さん(48)。母親役は「ええにょぼ」(NHK)などで知られる戸田菜穂さん(51)が務める。

 会見で大谷さんは原作について「両親がこの年(48歳という設定)だったときの気持ちなどを考えた。そういう意味で心に響く作品」。撮影については「(原作で描かれた)風景と出会え、そこを歩けることが非常にうれしい」と述べた。

 及川さんは「絶対に博史役を勝ち取るという思いでオーディションに行った」。磯谷さんは「こんな大きな役は初めて緊張しています」と、それぞれ初々しく語った。

 戸田さんは「白壁土蔵群はとても美しい街並み。皆さんの郷愁の中の良い母親が演じられたらいいなと思います」。滝藤さんは「役に関しては今でも悩んでいます。ちょっと難しい。ただ、亡くなった父と似ている役。仕事と家族のために生きたという人だ」と、役作りに意欲を示した。

 「遥かな町へ」は、鳥取市出身の漫画家谷口ジローさん(1947~2017)が倉吉市を主な舞台に描いた。妻子のある48歳の男がタイムスリップし、1963年の倉吉市に生きる中学2年生に戻ってしまうという物語。

 クランクイン初日は、主人公が倉吉を訪れる場面の撮影があった。観光客も行き交う白壁土蔵群近くの道を大谷さんが歩き、大型クレーンなどを使って撮影が進んだ。

 市や倉吉商工会議所なども撮影に協力する。秋にかけて市内や県内各地で撮影を進め、来年秋の公開を目指す。

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