誕生から110年の大会で深紅の大優勝旗をつかむのは――。第107回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高等学校野球連盟主催)は、参加3396チーム(3680校)のうち、2度目の春夏連覇をめざす横浜(神奈川)、夏2連覇を狙う京都国際など、49代表が地方大会を勝ち上がった。5日の甲子園大会開幕を前に、各地で取材した記者が代表校の実力を探った。
開幕試合以外の組み合わせ抽選会は3日午後2時から行われる。(座談会の実施は7月31日)
勝負強い横浜、投手力の健大高崎など「4強」が軸
- 横浜高校はプロ養成所じゃない あの敗戦後に行った「大人の改革」
記者A 春の選抜大会で4強入りしたチームのうち、3校が夏の甲子園にやって来たね。
記者E 1998年以来、2度目の春夏連覇がかかる横浜は、最速152キロの2年生右腕・織田翔希、エース左腕の奥村頼人を擁する。センターラインの堅守を含めた守備力は全国屈指だと思う。
記者F 打線は?
E 神奈川大会の準々決勝、準決勝は苦しんだが、決勝は昨夏代表の東海大相模に大勝した。主将で3番の阿部葉太、準決勝と決勝で計3本塁打を放った4番の奥村頼という並びは驚異だ。特に準々決勝で九回2死からサヨナラ打を放った阿部葉の勝負強さは目を引く。投打にハイレベルで、優勝候補の筆頭だろう。
記者C 春の関東大会で優勝した健大高崎も強そうだ。
E 投手陣の層の厚さは横浜を上回る。常時150キロ台の速球を投げる石垣元気と安定感抜群の下重賢慎に加え、佐藤龍月がトミー・ジョン手術(内側側副靱帯(じんたい)再建術)から復活した。1番を打つ石田雄星が出塁すれば得点の期待値が高まる。秋山潤琉ら中軸のスイングも鋭い。直近の公式戦での2敗はいずれも横浜から。3度目の対戦が実現すれば面白い。
記者B 智弁和歌山は選抜決勝で横浜に4―11と完敗した。その試合で疲れが見えたエース渡辺颯人に次ぐ投手の台頭が期待されていたが、和歌山大会決勝で最速150キロ超の右腕、宮口龍斗が完封した。決勝は接戦だったが、2―0というスコア以上に危なげない試合運びだった。準決勝も和気匠太、田中息吹の継投で零封。投手陣の底上げに成功したことで、渡辺は体力十分で甲子園に臨める。打線も4番福元聖矢を中心に低く強い打球を飛ばす。
記者D 強打なら東洋大姫路…