日本製鉄労連の幸野直通会長(中央左)が春闘の要求書を提出した。受け取ったのは日鉄の内藤寛人・常務執行役員(中央右)=2025年2月7日、東京都千代田区、宮川純一

 今年の春闘は12日、自動車大手の労働組合による一斉要求日を迎えた。物価高が続く中、昨年に続いて高水準の要求が相次ぐ見込みで、労使の交渉が本格化する。

  • 「労働分配率」低下、際立つ日本 大手が利益ため込む 解決策は?

 ホンダの労組は、基本給を底上げするベースアップ(ベア)の相当額で月1万3千円の賃上げを要求する。定期昇給などを含めた全体の賃上げ要求額は1万9500円で、実現すれば約5%の賃上げとなる。トヨタ自動車の労組もベアを求めているが、賃上げ額の平均は明らかにしていない。「比較可能な1999年以降で最高」とした昨年と同じ水準を求めるという。

 鉄鋼大手の日本製鉄やJFEスチールの労組、三菱重工業、川崎重工業、IHIといった重工大手の労組はすでに要求書を出した。各労組ともベア相当額で月1万5千円を要求した。

 13日には電機大手メーカーの労組が要求書を出すなど、春闘は他の産業にも広がる。大手企業からの回答は3月中旬の予定だ。

共有
Exit mobile version