今年の春闘について労働組合の中央組織・連合は14日、基本給を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給(定昇)を合わせた正社員の賃上げ率が平均5.46%だったとする初回集計結果を発表した。初回集計では、2年連続で5%を超えた。
- 実質賃金プラスに「全く足りない」賃上げ 背景に「異常な労使関係」
労使ともに賃上げの「定着」を訴えるなか、昨年の初回集計の平均5.28%から伸びた。物価高への対応に重要なベア分は3.84%だった。
連合は今年の春闘に向けた統一要求の賃上げ目標を、昨年に続き、定昇とベアを合わせて「5%以上」に設定していた。
回答にばらつきも
大手企業の労使交渉では、労組側から高い水準の要求が出たのに対し、経営側から昨年並みの高水準の回答が相次いでいる。トヨタ自動車は、「最高水準」の要求に5年連続の満額で応じた。日立製作所やNECも現行方式で過去最高となるベア月1万7千円で満額回答した。
ただ、大手の大半が満額回答した昨年の春闘とは異なり、要求額を下回る回答も目立った。満額回答は、自動車では大手7社のうち3社(1社は満額超え)、電機大手では12社のうち3社にとどまった。
中小企業の交渉は今後本格化する。昨年の春闘では中小の賃上げ率は大手を下回っており、今後の集計次第で全体の賃上げ率は下がる可能性もある。昨春闘の連合の最終集計は定昇込みで5.10%で、5%台という高い賃上げ率を維持できるかが注目される。