横浜のスタンドを率いたのは、応援指導部の山本快風(よしかぜ)団長(3年)だ。鋭いまなざしをスタンドに向け「負けてたまるか」と声を張り上げた。
入学前から応援指導部に憧れていた。同校の吹奏楽部員だった姉の影響で試合を見ていると、学ランを着て応援する生徒が目に入った。「かっこいい」と思い、入部を決めた。
昨夏の神奈川大会も部員として参加したが、決勝後半に体調を崩し、スタンドを離れた直後の八回、一挙4点を奪われチームは逆転を許した。「盛り上げなきゃいけないときに応援できなくて、流れも相手にいってしまった」
昨秋に応援団長に就き、後悔をばねに後輩部員2人と練習を重ねた。体力をつけ、動きのキレに磨きをかけた。
この日は智弁和歌山の大声援に圧倒されそうになったが、普段と同じように目いっぱい腕を振り続けた。
優勝が決まると「今まで通りを出したら勝てた」と山本さんからは笑みがこぼれた。「自分たちも自信がつきました」