(17日、第107回全国高校野球選手権岡山大会2回戦 岡山理大付2―3岡山学芸館)
一回裏のマウンドに立った岡山理大付の先発、尾沢友貴投手(3年)は、夏連覇を狙う岡山学芸館との対戦を待ち望んでいた。昨秋と今春の県大会で連敗し、リベンジを誓った夏だった。
しかし、立ち上がりから制球が定まらない。先頭を四球で出し、2死後にさらに四球で一、二塁のピンチに。次打者を右飛に打ち取ると、笑顔で弾むようにベンチに戻り、仲間と喜んだ。
投手になったのは高校に入ってから。冬場に体幹強化などに取り組み、背番号「1」をこの春に勝ち取った。エースとしての責任を感じながらの再戦だった。
チームは二回に先制。尾沢投手は持ち前の力のある直球を投げ込み、四回まで安打を許さなかった。だが五回、内野安打などで無死満塁のピンチを招き、マウンドを譲った。試合は継投した投手も相手の勢いを止められず、逆転を許した。終盤に1点差まで詰め寄ったが2―3で惜敗した。
「ピンチを残して代わってしまい申し訳なかった。自分で抑えたかった」と尾沢投手。「(高校野球は)いろんな面で成長させてもらった。最後に勝ちきれず、やっぱり悔しい」。この思いを胸に、来春からは関西の大学で野球を続ける。