(第144回春季中国地区高校野球大会1回戦 倉敷商5―4鳥取城北)
3点を追う七回裏。鳥取城北の谷口翔莉(しょうり)選手(3年)に2死満塁で打順が回ってきた。後ろには中軸打者が控えている。「つなげば何とかしてくれる」。狙っていた直球を左翼前にはじき返した。走者2人がかえり1点差。球場の雰囲気は一変した。
この日は3安打の活躍をみせたが、勝利には届かなかった。試合後、「バットのヘッドが相手の球に押されていた。内容はよくなかった」と反省を口にした。
昨夏の甲子園では2年生ながら1番打者として、初戦の明徳義塾(高知)戦に先発出場。アルプス席を埋めた大勢の観客に感動した。「野球をやっていて、こんなに楽しい場所はない」と思った。「今年ももちろん行きます」。今夏の目標はすでに決まっている。