財務省が17日発表した2024年度の貿易統計(速報)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支はマイナス5兆2217億円だった。歴史的な円安で輸出額は過去最大になったが、輸入コストも膨らみ、貿易赤字は4年連続だった。
輸出額は前年度比5.9%増の108兆9346億円で、4年連続で増えた。AI(人工知能)の普及による世界的な半導体需要を背景に、製造装置の輸出が大きく伸びた。ただ、全体の数量ベースでは減少しており、円安による押し上げ効果が大きいとみられる。
国別では米国向けが21兆6482億円で、3年連続で最大の輸出国になった。とくに今年に入って自動車の輸出額が増えているが、米トランプ政権による「自動車関税」の発動を前にした駆け込み需要とは言い切れないという。同省関税課は為替や単価の上昇が要因とみられるとし、「中期的にみると突出した数字ではない」としている。
輸入額は2年ぶりに増加し…