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朝日歌壇

うたをよむ 花山周子

 歌壇俳壇面のコラム「うたをよむ」。今回は歌人・装幀家(そうていか)の花山周子さんが昨年刊行された若い世代の歌集を取り上げ、共通する人類への見方について考察します。

 死んだ後つけられたから戒名であろうマンモスの名前の「ユカ」は

 川島結佳子 『アキレスならば死んでるところ』

 およそ四万年前の永久凍土から発見されたマンモスに人は名前を付けた。それが「戒名」と言い換えられるとき浮き彫りになる人類の独善性が印象的だ。

 ヒトという毛のなき獣の腕を見る猫より採血むきだと思う

 久永草太『命の部首』

 作者は獣医師。様々な動物の…

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