岐阜県が特定の団体に交付する補助金で、必要性を十分に検証しないまま「昭和の時代」から補助を続けている例が、県包括外部監査で多数確認された。補助の妥当性を評価する県側のコメントが毎年使い回されている例も確認された。監査報告書は「時代の変遷に合わせて必要性を確認すべきだ」と指摘している。
包括外部監査は地方自治法に基づく仕組みで、毎年度、税理士や弁護士らが、県のお金の使い方が適切かどうかなどをチェックする。昨年度は尾藤望弁護士が「子どもに関する補助金」をテーマに実施し、先月27日に報告書を公表した。
「一団体に対し、長期間にわたり固定額が支給されているものは、既得権とならないように、実績に応じた緻密(ちみつ)な検証・評価をすべきだ」
報告書がこう指摘したのは、青年リーダー育成事業などを実施しているNPO法人・県青年のつどい協議会への補助金。この補助事業は1969年度に始まり、2022年度は約150万円が交付された。
県が作成した事業評価調書には毎年度、同じ内容の評価やコメントが使い回されていたという。報告書は「実質的に検証・評価が機能していない」とし、違法や不当に当たる「指摘」をした。
補助金管轄の担当課長=交付先の事務局長の例も
補助金を出す根拠が乏しいと…