南極で越冬中の66次観測隊員と交信する生徒たち=2025年5月23日、東京都武蔵野市の吉祥女子中高、中山由美撮影

 東京都武蔵野市の吉祥女子中学・高校で23日、南極の昭和基地と衛星回線で結ぶ「南極教室」が開かれた。生徒約140人は、同校の卒業生も加わる66次観測隊員との交信を楽しみながら、南極の「今」を学んだ。

 薄暗い南極の氷の世界がスクリーンに映し出され、「うぉー」という声が上がる中、防寒着姿で登場したのは卒業生で東京海洋大助教の浅井咲樹さん(31)。海洋生物を研究しており、南極で海氷に穴を開けて釣った魚に観測機器をつけ、行動調査する様子を紹介した。

 他の隊員も加わり、昭和基地の暮らしや南極の氷床の変化、観測などについても説明。「南極では風邪をひかない?」「方向を見失わない?」「どうしたら隊員になれる?」など生徒たちの質問にそれぞれ答えた。

 終わった後、稲垣歩美さん(中2)は「南極に卒業生がいることに驚いた」、浅野史帆さん(中2)は「遠い南極が少し身近に感じられた。将来、行ってみたい」、塚本遥香さん(高3)は「世界初の研究もあって、夢とロマンがある」と感想を話し、浅井さんも「懐かしい気持ちでいっぱい。母校に恩返しできてうれしかった」と話していた。

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