昭和天皇の妻、香淳皇后(1903~2000年)の日々の活動などを編年体で記した歴史書「香淳皇后実録」が完成し18日、天皇、皇后両陛下に献上された。13冊(B5判)計3828ページあり、宮内庁書陵部が約17年かけて編纂(へんさん)した。10月9日に同庁ホームページで公開される。
香淳皇后は、戦前戦中、戦後復興に至るまで激動の時代を昭和天皇と共に歩んだ。その動静が網羅的に記された「公式記録」が明らかにする史実や皇后像が注目される。
実録とは、天皇や皇族の活動を確実な資料に基づいて記した年代記。奈良から平安時代には「日本書紀」や「日本文徳天皇実録」など六つの国史が作成された。近代の皇室制度が確立された明治以降、旧宮内省や現在の宮内庁が編纂したものには「明治天皇紀」(1933年完成)や「大正天皇実録」(1937年完成)などがあり、香淳皇后実録は「昭和天皇実録」(2014年完成)に続く九つ目。
香淳皇后は、皇族の久邇宮家…