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「時給10円という現実」から

 農家の置かれた現実を世に問うテレビドキュメンタリー「時給10円という現実~消えゆく農民~」が、全国33局で2月8日~15日のいずれかに放送される。民間放送教育協会が年に1度、加盟局から集まった企画のうち、審査で1本だけ選んで制作する「民教協スペシャル」の番組。

 カメラが追うのは、山形県長井市の農家菅野(かんの)芳秀さん。講師として招かれた勉強会で、国会議員に声を荒らげる。「本当にいなくなっているんだから農家が。知らなかったとは言わせないよ」

 番組によると、米農家1経営体あたりの年間収入から経費を差し引くと、残る所得は1万円。労働時間で割ると、時給が10円になるという。

 制作は山形放送。ディレクターを務めた同局報道制作局長の三浦重行さんは、1月中旬に東京都内であった試写会で、問題意識をこう語った。「伝えたかったのは『農家って大変だよね』ということではない」

 昨夏、各地の店頭から米が消…

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