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智弁和歌山―横浜 三回裏横浜無死一塁、奥村凌④のバントを捕り損ね、失策とする投手渡辺(中央)。左は一塁手荒井=新井義顕撮影
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 (30日、第97回選抜高校野球大会決勝 横浜11―4智弁和歌山)

 智弁和歌山は守備のミスから流れを失った。

 同点の三回、無死一塁で渡辺颯人の前に打球が転がった。マウンドから駆け寄ったが、球をつかみ損ねる。その後に適時打を浴びて、勝ち越しを許した。「失点につながる痛いプレーだった」。六回は三塁手の奥雄大が正面の打球を後逸し、横浜打線を勢いづけてしまった。

 決勝までの4試合のうち、3試合を無失点で勝ってきた。制球力のある渡辺の打たせて取る投球が、守りからいいリズムを生み出していた。

 強打のイメージが強い智弁和歌山。ただ、2018年に捕手出身の中谷仁監督が就任してから色が変わりつつある。21年に全国選手権を制した時は、堅守を武器に全国の頂点に立った。右翼手の福元聖矢は「うちは守りからリズムを作る」。投手と野手の強固な信頼関係は、決勝まで勝ち進んだ原動力だった。

 渡辺は守りに苦手意識はないという。三回の失策に「いつもはミスしないのに」と首をひねった。大舞台でも変わらず守備力を発揮できるか。夏への課題がみつかった。

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