市立吉田小学校の体育館に設置された空調設備。授業などで使うボールから守る網が付けられている=愛知県大府市、市提供

 全国の自治体が小中学校の体育館などの運動施設に空調設備(エアコン)の整備を進めている。教室への設置はほぼ終了したが、近年の猛暑で体育の授業や部活動に影響が出ているからだ。体育館は住民の避難所になるため、災害時の対策としても期待される。

 愛知県大府市は2020~22年度で市内全4中学校の体育館と柔剣道場、全9小学校の体育館に空調の設置を終えた。児童生徒を熱中症から守るという目的に加え、00年の東海豪雨で被害を受けたこともあり、災害時に過ごしやすい避難所として活用するためだ。

 熱源は停電時も使えるLPガス。年間コストは中学校1校あたり130万円。市学校教育課の担当者は「教員からは『熱中症の心配をしなくてもいい』と好評で、寒い時期の卒業式も『快適だ』という声もある。運動会で休憩所代わりに開放するなど柔軟に活用している」と話す。

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 愛知県刈谷市は22、23年度で15小学校6中学校の整備を終えた。熱源は都市ガスとプロパンガスを併用し、体育館の屋根には遮熱塗装も施した。プロパンガスは発電機の燃料にもなり、停電時でも照明などに電気を使える。1棟あたりの工事費は約5千万円にのぼる。

 名古屋市も22、23年度に…

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