暗闇が包む、復興途上の原発の町　「温かいご飯」明かりに集う人

　真っ暗闇の中に一軒の飲食店の明かりが浮かぶ。東京電力福島第一原発から西に約5キロ。福島県大熊町に昨年5月、「食事処　池田屋」が開店した。

　「いらっしゃいませ」

　3月上旬の夜、プレハブの店を訪れた客を池田孝代さん（63）が笑顔で迎えた。唐揚げ定食を注文した50代の男性は単身赴任中で、週に1～2回訪れる。池田さんは「近くに食事できるお店がないでしょ。『あってよかった』と喜んでもらえるのが一番うれしい」と顔をほころばせた。

仕入れは車で往復2時間の町外

　店はかつての町の中心部にあ…