パートナーからの暴力(DV)などに苦しむ女性を支援するため、群馬県伊勢崎市は配偶者暴力相談支援センターを紹介する動画を自主製作した。悩みを抱える女性に届くように簡潔に伝えたいことをわかりやすくまとめており、市人権課は「暴力は殴る蹴るだけでなく、精神的、経済的など様々。動画を見て1人で抱え込まずに相談して欲しい」と呼びかけている。
動画は、担当職員2人が約2週間かけて企画製作した。1分56秒にまとめられ、DVについて、①身体的暴力②大声で怒鳴るなど精神的暴力③キスなどを強要する性的暴力④生活費を渡さないなど経済的暴力⑤実家や友だちとの付き合いを制限する社会的暴力――と形態を説明。「重大な人権侵害」と訴え、相談窓口の電話番号(0270・27・5811)などを映している。
DVや性被害、貧困などに苦しむ女性を支える法律が昨春に施行され、相談しやすい環境づくりが進んでいます。殴ったり蹴ったりするだけが暴力ではありません。関係機関は「嫌と感じたり、違和感を覚えたりした場合、遠慮なく相談して欲しい」と呼びかけています。
市は暴力の被害者にも加害者にもなり得る若い世代に届くように、市のホームページやSNSで紹介し、拡散していきたい考えだ。
DVや性被害、貧困などに苦しむ女性を支える「困難な問題を抱える女性支援法」が昨年4月に施行され、公的機関などは相談窓口を充実化したり、SNSを活用したりして女性に寄り添う取り組みを進めている。
群馬県女性相談支援センターによると、相談件数は2022年度に3508件(DV関連は868件)だったのが、23年度は4044件(同1075件)、昨年度は3932件(同1153件)で、暴力に関する内容は増加傾向にある。
同センターは「実は暴力だと気づく人が増えた」と分析し、「携帯電話の監視や生活費を入れないなど、嫌と感じたり、違和感を覚えたりした場合、遠慮なく相談して欲しい」としている。DV専用の相談電話(027・261・4463、午前9時~午後5時。祝日と年末年始は除く)を設けているほか、メール([email protected])でも24時間相談を受け付けている。女性の悩み相談電話(027・261・4466)は月曜から土曜の午前9時~午後5時。