最低賃金を決める地方の審議会で、国が示した過去最高の引き上げ額の目安を超える答申が相次いでいる。21日までに決着した28都道府県では75%の21道県で目安を超えた。歴史的な物価高を踏まえた傾向だが、今年は地方側に直接引き上げを求める政権側の動きや首長の意向なども引き上げ判断に影響を及ぼしているようだ。
21日には、和歌山県で最低賃金の引き上げ幅が目安を2円上回る65円、岐阜県で1円上乗せの64円で決着。この日、愛知県では目安どおり63円とするよう答申があったが、これまでに鳥取県で目安より9円高い73円の引き上げで1030円とする答申が出るなど、「目安超え」が相次いでいる。
食料品の物価高騰などを踏まえた答申だが、今年の最低賃金改定のプロセスを象徴するのが、露骨な政治的な介入だ。
今月14日、福岡県の服部誠太郎知事を訪れたのは、石破茂首相側近で最低賃金引き上げの旗振り役を自認する赤沢亮正経済再生相。知事に対し、直接目安を上回る最低賃金引き上げへの協力を求めた。
審議会への直接の働きかけではなかったものの、こうした異例の動きを審議会が意識しないわけにもいかない。
異例の動きに審議会は
福岡の地方審議会では、丸谷…