1980年に日本とオーストラリアで科学技術分野での協力を進める協定が締結され、今年で45周年を迎えた。それを記念して、豪州初の宇宙飛行士に認定されたキャサリン・ベネルペッグさんが来日し、朝日新聞のインタビューに応じた。宇宙飛行士への思いや、STEM(科学・技術・工学・数学)分野への女性の進出について聞いた。
――なぜ宇宙飛行士になろうと思ったのですか?
宇宙飛行士になるのは、子どもの頃からの夢でした。小さい頃から、家の庭で寝転がって星を眺めては、「あの星々を探検したい」と思っていました。
宇宙工学の道に進み、衛星の設計に関わると「宇宙が医療や災害対応など、社会にとって重要な役割を果たしている」と気付き、ますます宇宙に貢献したいという気持ちが強くなりました。
宇宙機関がなかった豪州 キャリアの道が見えなかった
――宇宙飛行士への壁を感じたことはありましたか。
私が育ったころ、豪州には宇宙機関がありませんでした。今の宇宙機関は設立からまだ6年しか経っていません。なので、大学で学び終えたあと、私は海外に移りました。当時の豪州では、自分の望む宇宙関連のキャリアを築ける道が見えなかったからです。私にとっての最大の壁は道が存在しなかったことです。
- 【宇宙の挑戦者】はやぶさ2プロマネが語る 「0点のリスク」でも再着陸に挑んだ理由
――欧州で宇宙飛行士の選抜試験を受け、豪州で宇宙飛行士として認定されました。なぜ、あなたを最初の宇宙飛行士に選んだと思いますか?
私自身も同じことを考えまし…