89歳の女性は、玄関先まで来てくれる移動販売の常連だ。2週続けて、みかんを1袋買った。
東京都西東京市のサービス付き高齢者向け住宅に住む。八百屋の軽トラックが横付けして毎週火曜日午後1時から野菜を売り始める。神奈川県産の新鮮な野菜や果物がウリだ。
女性は右手に杖を握る。「この足だからね。買い物に行って、重い荷物を持って帰ってくるのは大変で。助かるわ」
500メートル先の最寄りのスーパーまでの道は平らで、地図アプリでは徒歩7分。だが、女性の足だと15~20分かかるという。
隣にいる友人の女性は88歳。「一緒に買い物できる楽しみもあるわね」。顔を見合わせ、にっこりした。
日本人女性の平均寿命は87.14歳(2023年)。この年代の一人暮らしは、珍しくない。
移動販売をしている佐山武志さん(53)は「若い人の倍の時間がかかったりする。でも、ここが特別ではないですから」
買い物を支えるボランティア
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確かにそうだった。次の販売…