世界中にコレクターがいるトレーディングカード(トレカ)。人気が過熱する中、福岡県にある人口約1700人の小さな集落では、子どもたちが一風変わったトレカに熱中している。カードに描かれているのは、ポケモンでもアニメのキャラクターでもなく、実在する普通の「おじさん」だ。
「ファイヤーファイター、放水訓練中!」「ああ、負けたー」
5月初旬の昼過ぎ。福岡県香春町採銅所にあるコミュニティセンターの一室で、小学生が「おじさんトレカ」に夢中になっていた。
【動画】トレカ「サイdo男カード」で遊ぶ子どもたち
記事の後半では、「おじさん」本人が登場する映像をご覧になれます。
どんな問題でも重機で解決する「グラビティマスター」に、元消防団長の「ファイヤーウォール」。カードにはおじさんの能力に応じたニックネームやHP(ヒットポイント=体力)、MP(マジックポイント=技を使うためのエネルギー)、特技などが記されている。
「ハート・ハイダー」と名付けられた松井明さん(74)のHPは350。「相手の出方を先回りして読むことができる。味方に対しては最強のサポーター」と紹介されている。相手のHPを50減らし、攻撃が3回終了した時点で自分のHPを50回復する「ハートMAX」が特技だ。元会社員で、シェア農園の手入れや通学バスの見守りボランティアをする松井さん。「子どもたちと顔見知りになることで安心感につながり、うれしい」とほほえむ。
メンマ作りをするおじさんの技は・・・
「スパイシーストロングメン…