ロシアによるウクライナ侵攻では、前線で無人機(ドローン)が多用されています。ウクライナ軍でその中核を担い、最強のドローン部隊とされる「アキレス隊」を率いるユーリ・フェドレンコ指揮官(33)が朝日新聞のインタビューに応じました。ウクライナ北東部ハルキウで活動中で、「ここ数週間、敵は全く戦術的な成功をしていない。人員と装備に大きな損害を負っている」と言います。
――指揮官はキーウの市議会議員だったそうですね。
今も議員のままです。ロシアは物理的にウクライナを破壊しにやってきて、ウクライナ人の大量虐殺が行われています。私のような者が軍に参加するということは、極めて重要で必要なことです。ウクライナ人の命と健康、国家を救う唯一の方法です。
――アキレスはどれぐらいの規模でしょうか。
部隊の規模の情報は伏せておきます。アキレスが所属する第92強襲旅団は効果的かつ一貫した方法で敵を壊滅することができる、ということだけを言っておきます。
使用するドローンは非常に多岐にわたります。多くは電動式ですが、エンジン式のものもあります。かなり離れた敵の作戦空間の奥深くまでオンラインで監視することができ、対象を破壊することができます。国内と、欧州諸国で開発されたものの両方を使っています。
ロシアが「妖婆」と恐れるドローン爆撃
夜間用の大きな爆撃ドローンを使っての爆弾投下もしています。敵はこれを民話上の「バーバ・ヤーガ」(妖婆)と呼んでいます。夜に現れ、敵に死をもたらすためです。強力な爆弾で敵陣や装甲車などを破壊しますが、攻撃だけではありません。水や医薬品、弾薬などの必要物資を味方がいる前線までドローンで運べるようになり、具体的な成果を上げています。
――戦場でのドローンの重要性が増しています。
戦争が始まってから、積極的に使い始めたのはウクライナです。ドローンでの攻撃によってロシアの多くの車両や兵器を破壊し、兵力にもダメージを与えました。
昼夜問わず、偵察ドローンで敵をオンラインで監視し、それに応じて攻撃型ドローンや砲撃を組み合わせて攻撃することができます。ただ、ドローンが砲撃の代わりになるわけではありません。異なる種類の兵器を組み合わせてこそ、戦場で強力な結果をもたらすのです。偵察ドローンがなければ、戦場ではロシアが完全に優位に立っていたことでしょう。
――部隊にはどのような人が参加しているのでしょうか。有名なゲーマーも参加していると聞きました。
活かされるITスキル
コンピューターゲームの得意…