全国では毎年約8千件の発掘調査が行われている。そのなかで注目の成果を紹介する「発掘された日本列島2025」展が京都府立山城郷土資料館(木津川市)で開かれている。奈良時代の重要遺跡が点在する南山城地域に光をあてた資料館の独自企画もある。
文化庁などが主催する全国巡回展で、京都府内での開催は22年ぶり。「新発見考古速報」と「我がまちが誇る遺跡」と題したコーナーが中心となる。
「新発見考古速報」では、縄文時代から近世まで10遺跡の貴重な出土品などを見ることができる。
上官塚(じょうかんづか)遺跡(熊本県)で出土した古墳時代の家形埴輪(はにわ)と囲形(かこいがた)埴輪は目玉展示の一つ。ともに円の文様が施された珍しいタイプで、モチーフは鏡との説もある。石室などに円や三角などの文様がある「装飾古墳」が集中する熊本らしい遺物といえる。
豊臣秀吉が土塁と堀で、京のまちを取り囲むように築いた御土居(おどい)跡(京都市)も紹介する。24年、城郭にみられる「障子(しょうじ)堀」に似た遺構の確認が発表された。銀貨(慶長丁銀)に品質保証のための印を打つための極印鑽(たがね)や木製人形などの遺物も並ぶ。
各地域の成り立ちと特徴に迫る「我がまちが誇る遺跡」は今回、滋賀、長崎、群馬の3県の遺跡について学ぶことができる。
滋賀では琵琶湖の「水中遺跡…