米やイチゴのように、茶にもさまざまな品種がある。新たな品種はどうやって開発されているのか。前身から数えると1世紀を超える歴史をもつ静岡県農林技術研究所茶業研究センター(菊川市)を訪ねた。
茶のコシヒカリとも言われる「やぶきた」、まろやかな甘みで病気に強い「つゆひかり」、バニラのような甘い香りが特徴的な「香駿(こうしゅん)」――。4月、センターの圃場(ほじょう)は、少しずつ違う緑色の茶木で彩られていた。約2500の品種や系統があり、新芽が育つタイミングも異なる。この時期ならではの風景だという。
茶の品種改良や栽培技術を研究するため、前身の県立農事試験場茶業部が発足したのは1908年。長年、県内の茶農家を支えてきた。
静岡発祥の代表的な品種やぶ…