(10日、第107回全国高校野球選手権大阪大会1回戦 緑風冠5―11池田)
緑風冠の内海涼太投手(3年)は力の限り、腕を振った。直球の最速は119キロ。決して速くはないが、1年間で10キロ上がったのが、自分の成長の証しだ。
その直球を生かすための投球を組み立ててきた。スローカーブを使って緩急をつけ、打者の目先を変えるために時々、サイドからも投げる。
2点リードで迎えた四回、連打などで逆転された。でも、自分は主将でもある。ベンチでは「ここからだぞ」と声を出して仲間を鼓舞し続け、最後まで投げ抜いた。
試合後も、笑顔を絶やさなかった。表情が崩れたのは、3人の同級生の仲間への思いを聞かれた時。「最後に良いゲームができた。本当に、感謝したい」。そう話す主将の目から涙がこぼれた。