国際宇宙ステーション(ISS)に199日滞在した宇宙航空研究開発機構(JAXA)の古川聡宇宙飛行士(60)が18日、朝日新聞のインタビューに応じ、日本の宇宙開発についての思いなどを語った。
古川飛行士は、昨年8月下旬から今年3月まで、上空約400キロの軌道を回るISSに滞在。「宇宙でしか見つけられない答えが、あるから。」をテーマに、日本の実験棟「きぼう」での実験などに取り組んだ。米国でのリハビリを終え、今月から一時帰国している。
――古川さんは、今回のISS滞在で、細胞がどのように重力を感じるかの実験などに取り組みました。宇宙で実験する意義について、どう考えていますか。
「地上では得られない特殊環境、長時間安定した微小重力環境を利用して、地上に役立てることが重要だと思っています。細胞がどう重力を感じるかという実験は、基礎科学だけでなく、筋収縮や骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の治療・予防にもつながるものです」
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「あるいは、ISSでは、地上よりも品質のよいたんぱく質の結晶をつくることができ、新薬の開発が促進できます。そういったことが重要だと思います」
――2011年にISSに滞在した前回と比べ、民間企業が参加する実験が増えたと記者会見で話していました。ISSは30年末で運用を終了し、その後は民間が運用する宇宙ステーションに移行されます。民間が実験に参加する機会がより増えると思いますが、どう受け止めていますか?
「素晴らしいことだと思いま…