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水稲の生育状況を調べる三重大学のグループ=2022年7月29日午前8時20分、京都府与謝野町、三重大学提供
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 化学肥料を極力使わない有機栽培で米作をする場合、その収量は水田がある場所の地形に左右されることが、三重大学などの国内外の研究グループの調査で分かった。成果は7月10日付の国際学術雑誌「Scientific Reports」に掲載された。

 調査したのは、三重大学大学院生物資源学研究科の関谷信人教授(作物学)をリーダーに、タンザニアのダルエスサラーム大学などが加わった研究グループ。

 京都府与謝野町の水田をフィールドに、2018年度に調査に着手した。

 きっかけは、同町の農家が「有機肥料を与えても収量が上がらない。どうすればよいのか」と関谷教授に助言を求めたことだった。

 関谷教授によると、有機農法は、枯れた植物や生物の死骸などをベースにした有機肥料を、土中にすむ微生物が分解。そこで生じた窒素を作物が吸い上げることで成長につなげる方法だ。

平野部と傾斜地で明らかな差

 関谷教授は同町の水田が、比…

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