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韓国出身の俳優ハ・ヨンスが演じる崔香淑=NHK提供

 現在、放映中のNHK連続テレビ小説「虎に翼」は、様々なマイノリティーや弱者の姿も描いています。主人公の寅子(伊藤沙莉さん)の同級生で、ハ・ヨンスさんが演じる朝鮮半島からの留学生、崔香淑(さい・こうしゅく、チェ・ヒャンスク)も、そんな重要な登場人物の一人です。当時の女子留学生は日本でどんなふうに学んでいたのでしょうか。香淑にモデルはいたのでしょうか。近代朝鮮教育史が専門で、このドラマの朝鮮文化考証に協力した大阪産業大学准教授の崔誠姫さんに聞きました。

――ドラマのどんなところについて、考証をしていたのでしょうか。

 朝鮮半島の近代女子教育について研究しています。主に事実関係や用語などを確認しましたが、NHKの担当者は資料や文献などを丁寧に読んで詳しく調べていました。たとえば食事。兄と食事中に特高警察が来る場面がありますが、当時の資料をもとに食卓には大根のナムルのようなおかずと、赤いスープが細かく再現されていました。兄が香淑に送った手紙も当時のつづりや文体、漢字語などもスタッフたちと特に念入りに確認した部分です。

 「朝ドラに朝鮮人がきちんと登場したのは初めてなのでは」と崔准教授は指摘しています。記事後半では「香子」という名前で再登場した香淑についての考察も。日本と朝鮮半島の歴史を知ると「虎に翼」をより深く理解することができるはずです。

――どうして朝鮮人留学生を登…

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