明治時代の奈良博覧会で展示されていた興福寺の天燈鬼(右)・龍燈鬼(左、ともに5月18日まで展示)と元興寺の八雷神面(中央)=2025年4月18日、奈良市登大路町、今井邦彦撮影

 奈良市の奈良国立博物館(奈良博)では今、特別展「超 国宝―祈りのかがやき―」(奈良博、朝日新聞社など主催)が開かれている。1895(明治28)年に同館が「帝国奈良博物館」として開館して130年になるのを記念した展示だ。実は、その16年前に大阪で産声を上げた朝日新聞の創刊号に「奈良東大寺の博物館」の記事が載っている。これは奈良博とは別物なのか。調べてみた。

 朝日新聞は1879(明治12)年1月25日、大阪で創刊された。縦32センチ、横23センチと、現在のA4判より一回りほど大きい判型で、二つ折り4ページ。創刊号の1面には国や大阪府が告示した「官令」と、様々なジャンルの「雑報」が掲載されている。

 その最下段に「大和国奈良東大寺の博物館は例の通り来る三月中旬より開場になり本年は該地(そのち)正蔵院の宝蔵を開かれ珍器出品なるに付当今御調べ中なりと」という記事が。「正蔵院」は正倉院(しょうそういん)のことらしい。

会場の壁際に

 では「奈良東大寺の博物館」…

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