4月6日付朝日歌壇の入選歌40首をお届けします。今月から川野里子さんが選者に加わります。選者はほかに、佐佐木幸綱さん、高野公彦さん、永田和宏さんです。
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川野里子選
一途とは美しいこと強い事余力を残し馬場あき子さん退く(西海市)前田 一揆
病室の妻を見舞へば見たこともなき表情の一輪の花(岐阜市)後藤 進
両腕で自分をやさしく抱き締める自宅介護の合間合間に(中央市)江熊佳代子
この町はこんな風景だったのか新幹線の徐行運転(横浜市)森 秀人
原節子を守る為だと戦場に行きし若者ありき昭和に(狭山市)奥薗 道昭
「トランプのように大胆に実行を」こんな言い方職場で始まる(湖西市)佐藤きみ子
採血の針の迷いが隠せない看護師がいてドンと手を出す(和歌山市)岡田 信也
空を飛ぶクルマはいらぬこの町に必要なのは地を走るバス(阪南市)岡本 文子
桃太郎四人並んだおゆうぎ会忖度(そんたく)という喜劇のようで(厚木市)三橋 京子
ヒト型のロボットひざ曲げ立っている我(われ)が転ぶは無理の無き事(東京都)渡辺 京子
【評】二首目、見慣れない表情の妻の美しさにハッとする。四首目、低速の車窓にゆっくり現れる町の風景だ。五首目、こんな悲しい「推し活」があった。何とか自分を納得させたかったのだろう。六首目、付いていって大丈夫か?と危ぶむ。
佐佐木幸綱選
「帰りたい」と泣く母の電話…