創業137年の朝日生命保険の新社長に1日、子会社のなないろ生命保険社長だった石島健一郎氏(60)が就いた。なないろ時代、ジーンズ姿で出社することで知られていた石島氏。仕事着はスーツに変わったが、「社長らしくありたくない」との思いは変わらない。伝統ある企業にどんな風を吹かせようとしているのか。
――朝日生命をどう変えていきますか。
「保険の世界も変化が激しい時代です。1万人超の営業職員は変わらず必要だと思いますが、仕事のやり方やサービスの内容が今のままでいいかどうかは別問題です。お客さまが求めているところは残しながら、改革していきたいと思います」
――なないろ時代は他社との競争も激しかったようですね。
「なないろが参入したのは、複数社の生命保険を比べて買える『乗り合い代理店』市場です。営業職員がお客さまを見つける従来型と違い、お客さまから来てもらうという画期的なモデルです。しかし、商業施設に代理店を作ればお客さまが来るというものではなく、差別化を図る必要がありました」
「なないろは、保険料競争をするのではなく、単価は高くても『気が利くね』と思われる商品開発に力を入れました。その結果、(新規契約の保険料を1年分にならした)新契約年換算保険料は、2022年度にはグループの4割を占めるまでに成長しました」
――ジーンズで出社していた狙いは何だったのでしょうか。
「社員に社長だと意識させな…